2つのスキップフロアがかなえるゆとりある空間作り

2018.05.18

2つのスキップフロアがかなえる
ゆとりある空間作り

N様のお家の中には1階と2階に“蔵”と呼ばれる大収納空間を設けています。お家の中に“蔵”を設けると階層が１つ多くなり、階高は0.5階分高くなります。この高さを利用して、吹き抜けや0.5階層分の空間を利用したスキップフロアをつくることができるのです。

N様の家は1階の“蔵”によって大きな吹き抜けとリビングにつながるスキップフロアを、2階の“蔵”によって最上階のスキップフロアを利用して2室をつくり、空間が縦に重なり合ってつながった変化のある住まいとなっています。

LDKと立体的に繋がったプレイルーム

スキップフロアは空間が少しずつ重なり合いながらほどよく繋がっていて、家族の気配を身近に感じられるだけでなく、実際よりも広々とした印象を与えてくれます。

N様のお家ではリビングのスキップフロアを解放的な吹き抜けと子供のプレイルームとして活用しているそうです。0.5階層分高くなったスキップフロアは、子どもたちが遊んでいる様子を1階のどの場所からも見守ることができる絶好の位置。子どもと目線を合わせながらお話することができ、ママと子どものふれあいも深まります。

自然光がたっぷり入る大きな窓のあるプレイルームには、造り付けのベンチや壁面のマグネットボードなどの子どもたちが楽しく遊べる仕掛けも取り入れてあり、とても快適な空間になっていました。

ピアノの練習をしながらパパをお迎え

リビングの蔵の上につくったプレイルームの奥もまた、玄関の蔵の上につくられたスキップフロアです。プレイルームの続きの空間として、ここはピアノの練習室として活用しています。可愛らしいクロスや家の形にした入口は、子どもたちが楽しくピアノの練習ができるようにと工夫したもの。本来なら閉塞感を覚えそうな奥まったスペースですが、玄関ホール側の壁に窓をつくったことで問題を解消しました。

ご主人は仕事から帰ってきたとき、ピアノを練習している子どもたちの姿を見ることが日々の楽しみとなっています。子どもたちも窓から「おかえりなさい！」と笑顔で迎えてくれるそうです。

最上層のスキップフロアは子ども部屋に

2階の“蔵”の上にできたスキップフロアは子どもの寝室と勉強部屋にすることができました。N様ご夫婦にはまだ幼い3人の娘さんがいらっしゃいます。一人ひとりに十分な広さの個室を設けるにはスペース的にも余裕がないため、「勉強」と「就寝」という“用途”で分けて部屋をつくったのだそうです。

勉強部屋に造作したカウンターテーブルは、3人が一緒に並んで勉強しても余裕の広さ。寝室の三連窓にはパステルカラーのロールスクリーン、アーチ型をしたクローゼットの入口がとっても可愛らしい雰囲気。女の子が3人もいれば将来的に朝の洗面所は大混雑が予想されます。それを見越して1階のメインの洗面所にプラスし、最上層にも洗面所を設置したそうです。

0.5階層の空間が住まいに変化をもたらす

1階、1.5階、2階、2.5階という4層の空間が重なり合ったN様のお家は、初めて訪れたとき「あれ、今どの階にいるんだろう？」と一瞬分からなくなるほど“タテに奥深い”造りになっています。次々と階層が変化していくのが新鮮で面白く、まだよちよち歩きの一番下の娘さんも楽しそうに階段を上っていました。

リビングのスキップフロアは子どもたちのお気に入りスペースというだけではありません。1階の窓を高いところに設置できるので自然光がフロア全体に行き渡り、南側から北側の窓へと気持ちのいい風が抜けていくのです。また、2階がお隣よりも0.5階分高いので窓の位置がずれ、目線が気にならないというメリットもありました。

ライフスタイルに合わせた活用術

蔵を設けることによってできるスキップフロアや吹き抜けのある高い天井。大収納量を誇る蔵には普段は使わないモノや大きなモノ、目に届くところに出しておきたくないモノなどをスッキリ収納。蔵の高さの分だけ0.5階層上がったスキップフロアは変化のある空間をつくり出し、開放感でいっぱいの吹き抜けから入るLDKを隅々まで明るくする自然光。空間をうまく活用したゆとりのあるお家は家族がのびのびと暮らせます。気になるスキップフロアの天井高も通常の居室と変わらない十分なゆとりがあり、家族のライフスタイルに合わせてさまざまな活用のバリエーションが考えられそうです。